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極端紫外光研究施設(UVSOR) 分子研リポート2004 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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4-3 極端紫外光研究施設(UV S O R )

平成16年度実施の極端紫外光研究施設(UV S OR 施設)の外部評価委員は以下の3名である。菅教授と柳下教授は高 度化前の平成12年度評価のメンバーでもある(「分子研リポート2000」を参照)。

菅 滋正 大阪大学教授 (固体分光 を中心に施設評価) 柳下 明 物質構造科学研究所教授 (気体分光 を中心に施設評価) 春日俊夫 物質構造科学研究所教授 (光源加速器を中心に施設評価)

事前に資料(過去の外部評価結果,それに対するこれまでの取組み,現状説明等)を各委員に送付した上で,平成16 年12月8日∼10日の3日間に委員1名ずつ評価のために来所していただいた。当日は,まず全体の評価方針について UV S OR 施設長(小杉信博)から説明した後,各委員が施設教授・助教授(加藤政博,繁政英治,木村真一)に対して 担当業務についてのヒアリングを実施するとともに,UV S OR 施設の現場視察を行い,評価結果をまとめていただいた。 公表用のレポート以外に所長宛,施設長宛それぞれに,国内の施設間連携,人事政策,研究系との関係などにも触れ たコンフィデンシャルなレポートを提出いただいた。さらに,平成17年2月2日に3評価委員,所長,小杉,加藤で 合同評価委員会を開催し,意見交換した。評価のまとめはすべて評価委員全員に報告し,それぞれ加筆修正を依頼し 全体の評価としてまとめるようにしている。以下は各委員の最終評価報告に基づき項目別に整理したものである。

外部評価結果については平成17年1月より UV S OR 施設のホームページに公開し,共同利用研究者からの意見を聴 取しながら施設運営に役立てているところである。また,平成17年2月4日の UV S OR 運営委員会でも運営委員間で 外部評価結果について意見交換を行った。

4-3-1 平成 12 年度の評価以降の取り組みについて

スクラップ&ビルドや更新の結果,ビームラインの姿が良く分かるようになった。競争力のあるビームラインをさ らに性能向上し,有力グループのビームタイムを通して成果を挙げることが期待できる。この4年間で利用者層の出 入りがあったことがうかがえた。毎年1,2グループの出入りがある現状は望ましい状況と考えられる。建設,更新 に協力してきたグループが結果的にビームタイムを採択されている現状は好ましい姿である。今後継続的な性能向上 を考えるとき,更新に協力的な有力グループを優遇する形があっても良いものと思われる。いたずらに高エネルギー 側への進出を図るよりUV S OR の特長を生かして低エネルギー分光に重点を置く戦略は妥当である。テラヘルツ光利用 研究や 40 eV 以下の光電子分光などで今後の競争力が期待できる。

光源系については,新たに教授ポストが置かれ業務委託も一名配置されたので,研究環境は著しく改善された。高 く評価する。測定器系についても,大胆なビームラインの再配置をし,6本のビームラインを廃棄した。施設の英断 に敬意を表する。施設ビームラインは9本(所内ライン B L 8B 2 の施設利用化後),ビームライン・スタッフは9名(来 年度の補充を含めて)なので,ビームライン・スタッフの研究環境は大幅に改善された。但し,現在,光源関連でし か業務委託(1名)が行われていないので,今後はビームライン関連にも1名配置すべきであろう。当面は所内運用 される予定のアンジュレータ・ビームライン B L 3U が高度化の際に建設された。ビームライン分光器の性能はほぼ設 計性能の満たすものであり,評価できる。本ビームラインでの研究計画も,世界レベルの研究成果を目指すものであ る。研究成果を期待している。

光源系職員数が着実に増えてきていることは高く評価できる。特に従来設けられていなかった教授ポストを獲得で

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きたことは,長期的視点で光源加速器の運転維持・将来計画立案に責任を持ってあたることが可能となったという点 で,全国共同利用施設にふさわしい体制が確立されつつあるという印象を受けるものである。また助教授と適切な役 割分担をすることにより,光源開発研究もより一層活発に行えることが期待できる。ただし,現在中堅の加速器研究 者の人材難も事実である。助教授ポストの柔軟な運用,あるいは若手加速器研究者の育成も必要であろう。技術職員 については,現在2名とのことであるが,光源加速器の運転維持管理のみならず冷却水設備などの保守管理,放射線 安全管理などの業務も遂行しているようであり,技術職員の増員もしくは業務委託の拡充が望まれる。

業務委託については,Photon F actory や S Pring-8 など,全国共同利用を推進している大型施設では大規模に導入して おり,UV S OR でも導入されるようになったことは大変に好ましい。現在は施設全体で1名ということであるが,予算 措置を継続することは言うまでもなく,今後更に人数を増やしていくことが強く望まれる。技術職員との役割分担に ついても他の大型施設の例を見ても全く問題のないことは明らかであり,むしろ技術職員の専門性の向上をもたらす ものであると考えられる。

高度化改造や光源開発について,少人数であるにもかかわらず,有意義なプロジェクトを活発に遂行してきたこと は光源グループのアクティビティの高さを示すものである。しかしながら一方では,少数精鋭主義は長期間にわたる 地道な研究を必要とする加速器の開発研究には必ずしも適していない面もある。また,限られた人数で加速器のすべ ての分野をカバーすることは困難であるので,他機関との共同研究が重要である。加速器研究部門の充実は,加速器 研究が主体とはいえない分子科学研究所でどのように折り合いをつけるかが課題であろう。また,加速器研究者が研 究活動に専念できる体制を構築することも必要である。

4-3-2 光源加速器関連設備について

①光源加速器

平成14年度予算で実現された高度化改造で,光源加速器の基本性能が格段に向上し,建設後20年が経過し老朽化の 懸念されていた加速器コンポーネントの多くが更新されたことは,非常に高く評価できる。2005年春に予定されてい る R F 空胴の更新は,同様な観点から重要である。高度化された加速器の性能をより活かすためにも,現在空いている 3箇所の直線部へ早急にアンジュレータを導入し,また,ビームラインを建設することが望まれる。

しかしながら,依然として一部には20年以上が経過している装置もあり,施設の安定な運転のためには,これら装 置類の改良や更新を今後も継続していくことが強く望まれる。多くの装置類は従来の保守・維持費用の範囲で更新を 継続していけるものと思われる。今後も従来どおりの予算措置を継続していくことが必要である。ただし,シンクロ トロン電磁石電源装置は大型であり,更新には特別の予算措置が必要と思われるが,建設後20年以上が経過し,重故 障の場合には長期の運転停止の可能性もあるので緊急性は高いと考えられる。現シンクロトロンのエネルギーは 600 MeV と,蓄積リングの運用エネルギー 750 MeVより低い。蓄積リングでの加速を避け,さらにトップアップを可能に するためにも 750 MeV 以上までエネルギーの増強を行うべきであろう。なお,現在の入射に要する時間は短いので,シ ンクロトロンの繰り返し周波数を下げて電磁石電源の電圧を抑えれば,出力電力を現在のまま,あるいは低減するこ とも可能であろう。

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②付帯設備

冷却水,空調,受電設備などの付帯設備も老朽化が進んでいるはずであり,今後も継続して保守管理を行い,必要 に応じて更新も行っていくべきである。これらの設備は設備課の管理下にあるが,加速器装置と一体のものと見做す べきである。重故障が発生した場合には施設の運営に大きな影響を与える可能性があり,また,これら付帯設備の性 能が光源性能に影響を与える可能性もある。光源グループと設備課は常に連絡を取り合い,設備の状況を把握し,性 能維持あるいは性能向上に努める必要がある。

UV S OR の建物は老朽化が進んでおり,大規模な改修はともかくも,必要に応じて適切に手を入れていくことが望ま れる。建物の外装,内装,エレベータ,トイレ,共同利用者控え室など,適切に改修を進め,全国共同利用施設とし て恥ずかしくないレベルを保っていくべきである。U V S ORよりも2年ほど建設の早い高エネルギー加速器研究機構 Photon F actory では,最近,建物の内装,付属設備などの改修が行われている。

職員数も増え,海外からの来訪研究員も多いと聞いているが,現在の建物で十分な数の居室や実験室を確保するの は難しいものと思われる。所内で適切な配置転換を行い,隣接する建物など,距離的に近いところに十分な数の居室, 実験室が確保されるべきである。

4-3-3 施設利用ラインについて

前回の評価の提言に従って大胆な更新が行われてきた。その成果を見るにはまだ時間不足の感があり,発表論文の 形になっているものは多くは無い。今後目に見える形での成果が続々出て来るものと期待している。あえて言えば更 新されたビームラインについてもさらに性能向上を行える要素が多々あるのでさらなる投資を行うことで一流の成果 を継続的にあげられるビームラインに発展できる可能性の芽がたくさんある。

B L 6B , B L 5U 以外の施設利用のビームラインについては,それなりの役割を果たしているし,それなりの研究成果も 出ているので,基本的には現状維持で良いであろう。但し,主に固体の軟X線分光に利用されている B L 1A(高い軟X 線領域)と B L 8B 1(中軟X線領域)の内,B L 8B 1 は今後の運営を考える時期になって来たのではなかろうか。

以下に個々のビームラインに関する評価結果を示す。

①赤外領域のビームライン

B L 6B  (赤外,遠赤外,テラヘルツ)

高度化が行われた赤外∼テラヘルツ領域のこのビームラインは世界最高強度のものであり出色である。施設の英断に 敬意を表したい。

低エネルギー 1 meV までカバーできる T Hz 分光は物性科学として広範な利用が期待できる。ハードウェアに強い施設 スタッフを擁しているのであるから,このビームラインでの飛躍的な研究発展を期待する。

UV S OR の特徴が活かされたビームラインである。成果も上がっている。研究内容レベルも高い。限られた分野ではあ

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るが,今のままで一流の成果が上げられるビームラインである。さらに手を加えれば,広い分野で一流の成果が上げ られるビームラインにもできる。そのため,もっと予算をつけ,もっと整備して増強すべき。グループあたり長いビー ムタイムを与えて一回分の実験で論文をまとめられるようにという方針は支持できる。マジックミラー導入で性能が 飛躍的に向上したので,今後は S Pring-8とは相補的な T Hz 領域に重点をシフトした研究を強力に推進すべきである。導 入されている装置の性能を最大限に発揮することでユニークな研究が多数出ることが期待できる(たとえば磁気光学 効果の変調測定など)。

②真空紫外領域のビームライン B L 1B  (固体瀬谷)

研究内容は普通だが,それなりの成果が上がっている。汎用ビームラインであるのでコンスタントに利用されている 現状で良い。その中で成果を上げるテーマが時々出てくるという形で良い。利用者の責任で実験を遂行する事が望ま れる。

B L 7B  (固体直入射)

それなりの成果が上がっている。利用度はこのままでよいであろう。維持にはあまり予算はいらないと思われ,現状 で成果が上げられるはず。基礎データをとるための汎用ビームラインとしての存在価値は大きいので装置の性能維持 については施設者側で責任を負う事が望まれる。ビームタイム中の支援は殆ど不要で,利用者の責任で実験を遂行す る事が望まれる。つまり十分なビームタイムを与えてユーザーが習熟できるレベルに早く到達する事が望ましい。

③真空紫外領域∼低軟X線領域のビームライン B L 5U (高分解能光電子)

成果は徐々に上がっているが,まだ発表論文の形のものは少ない。研究内容は高くなる可能性が大である。手を加え れば一流の成果が上げられるビームラインである。利用度が高く,もっと整備して増強すべき。主に光電子分光実験 に利用されている。このリングと光源と電子エネルギー分折器の組み合わせから期待できる成果は極めて大きい。し かし光分光器の性能がそれらに比べて見劣りする。低エネルギーでは光子数が少なく,高エネルギーではエネルギー 分解能が世界標準と比べると見劣りする。分光器の更新によって低エネルギー(< 100 eV )での光電子分光に威力を 発揮できるビームラインとして国際競争力を持つことが期待できる。

B L 5U でまだ実現されていないアンジュレータ・ギャップと分光器の波長駆動の同期スキャンは,早急に実現すべきで ある。エンドステーションの光電子分光実験装置は,良く整備されていて性能も世界レベルである。しかし,光分光 器の性能が悪いため,光電子スペクトルの分解能は世界レベルから大きく引き離されている。高度化されたエンドス テーションの実験装置の性能と高度化前のままのビームライン分光器の性能がミスマッチである。対応を早急に考え る必要がある。予算の関係でビームライン更新を早急に行うことが出来ない場合は,現在,1グループしか使ってい ない所内ビームライン B L 2B に移設して研究を展開することを検討すべきではなかろうか。

B L 5Uの光電子分光については分光器を現代の技術の先端を蓄積したものに更新することで国際競争力に富むビームラ インになることが確実である。現在は光電子分光汎用ビームラインとしてユーザーの拡大を図るフェーズと考えて良

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いが,さらに次のステップを平行して計画することが望まれる。つまり UV S OR -II と高輝度アンジュレータ,高性能分 光器,高性能光電子分光器の組み合わせで 100 eV 以下の領域で世界をリードできる研究が可能であり,これを UV S OR で推進する意義は大きい。 

④低∼中軟X線領域のビームライン B L 5B (PGM 斜入射分光器)

機器校正専用ビームラインとして,その役割を果たしている。放射光施設としてはこのようなサービスも重要な役割 である。利用率は 80% 以上あるので,このまま運営して行けば良い。成果も出ている。あまり予算はいらない。

⑤中軟X線領域のビームライン B L 8B 1(S GM 斜入射分光器)

気体専用のビームラインから,NE X A F S 専用に転換されたが,固体のユーザー数は限られていて,利用率が低い(50% 以下)。分光器の性能もかなり悪いので,将来的にはビームラインを更新して,新たな研究プロジェクトを展開する必 要がある。

⑥軟X線結晶分光領域のビームライン B L 1A (二結晶分光器)

X A F S が測定出来る標準的なビームラインである。研究内容は普通。利用率は 80% 以上であるので,利用度を無理に 上げる必要はない。予算をあまりかけずに,現状を維持していくだけで良いであろう。

⑦白色光利用のビームライン B L 8A

分光器が設置されていない,軟X線照射専用のビームラインである。利用率はあまり高くない(40 ∼ 70%)ようであ るが,成果は出ている。このようなビームラインを施設利用として使えるようにしておく必要度はある。あまり維持 に予算はいらないであろう。

4-3-4 光源開発研究について

蓄積リング自由電子レーザーについては,発振波長が光共振器用ミラーの性能によって制限されることから,可視・ 紫外域に限られており,通常型レーザーと競合するために,世界的にも研究は下火になってきている。今後この研究 をどのように展開していくべきか,見直すべき時期に来ていることは間違いない。UV S OR の自由電子レーザーは,加 速器の安定性が高く,また,ここ数年実用化へ向けた開発研究を進めた結果,極めて安定に高出力のレーザー発振が 実現できる状況にある。このため当面は,レーザー発振機構の基礎的な研究,あるいは,自由電子レーザーと放射光 の完全同期を活かした応用実験を継続しつつ,2年程度を目処に今後の研究の展開について方針を固めるのが適切で あると考えられる。外部レーザーを利用した光源開発は今後の展開のひとつの方向であり,今後更に検討を深めつつ 外部資金の獲得に努めるべきである。

テラヘルツ領域のコヒーレント放射光を我が国の蓄積リングで初めて検出に成功したことは極めて高く評価できる。

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UV S OR では世界に先駆けて赤外線領域の放射光利用を展開してきたことはよく知られており,現在も活発に赤外線利 用が行われていることから,実用化を意識しつつこの研究を継続するのが適当である。

以上は UV S OR 光源グループの世界に誇るべき研究成果である。今後とも,このような研究が活発に行われる環境

(研究費やマシンスタディ用のマシンタイム確保)を保つべきである。加速器は手段であり目的ではない。加速器研究 の成果は利用されてはじめて意味のあるものとなる。新しく開発された光源技術により得られた“ 光(電磁波)” の応 用のために,利用側とも密接に協力して研究を遂行すべきである。このために,外部資金の獲得に努力することも必 要であろう。また,外部の研究者との連携,博士研究員の獲得などにより研究体制を一層充実することが望ましい。

4-3-5 今後の強化策,将来計画について

①ビームライン利用研究

直入射領域の光電子分光ラインの強化(現 B L 7U のアンジュレータと主 R F 空胴の移設によって B L 7U を長直線部化 して,現B L 5U の成果を発展させる)とテラヘルツ顕微分光(B L 6B )のプロジェクト案の説明を受けた。両者ともUV S OR の特徴を生かしたプロジェクトであり,早急に進めるべきものと思う。但し,前者についてはどのようなアンジュレー タを選択するのか(例えば,長尺アンジュレータである必要はないのではないか),分光器のどのようなマウントを選 択するのか等,技術的検討が充分にはなされていない。これらの検討を早急に進める必要がある。UV S OR では,いま だかつて設計性能を満足する直入射分光器が建設されたことが無い。このことを重く受け止めていただきたい。最近, 世界レベルの斜入射分光器が B L 4B と B L 3U に建設され,性能を発揮している。必要に応じて他施設との連携を進め ながら,UV S OR のような小型リングが最も得意とするはずの真空紫外光(極端紫外光)領域で世界に誇れる直入射分 光器を建設してほしい。

以前は UV S OR の特徴になっていたはずのシングルバンチ運転の要求が,最近,あまりない事は,意外であった。現 在,いろいろな反応の実時間観測は,放射光の分野でも主流になりつつある。UV S OR でもシングルバンチ運転の積極 的な利用を検討した方が良い。ただし,小型施設であるがゆえにシングルバンチと言えどもパルス間隔が 176 nsec と 短く,しかも,寿命を延ばすためにパルス幅が 1 nsec 近くまで広がっているので,今となっては国内他施設の方がパ ルス利用実験に適しているのかも知れない(主 R F 空胴の増強により寿命が延びるのでパルス幅を若干,狭くできるが, 100 psec を切るような話にはならない)。今後は,国内他施設に先駆けて,バンチスライシングにより発生させたフェ ムト秒パルスを利用するような新しい展開も必要であろう。

施設スタッフができるだけ広く他の共同利用放射光施設利用を体験しよりよき共同利用のあり方を肌で体験するこ とが望ましい。国内の施設に限らず,国外の施設でも2−3週間の共同利用を2−3年に一度体験できるような方策 を検討することが望ましい。

スタッフが研究できる時間と論文を書く時間の確保は施設の評価を高めるためには必要条件であるので,スタッフ 酷使にならないような配慮が施設強化の必要条件と言える。

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②光源加速器

将来計画としてトップアップ運転の実現を最優先すべきと思う。自由電子レーザー F E Lの短波長化・高出力化のR

&Dを進めつつ,その利用研究も同時に行っていく必要がある。これに関連して,現在,光源グループによって行われ ようとしている極短パルスの発生・高次高調波の発生など,次期光源計画に繋がるR&Dは積極的に進めていただきた い。研究所内のレーザー開発研究者との共同研究を進めるようにすると良い。これらのR&Dの研究成果を踏まえて,世 界に例のない斬新な将来計画を立案していただきたい。急ぐ必要はないが,常に心がけていなければならないのが将 来計画である。4∼5年かけて,光源・利用・レーザー開発の三者で新しい光源について充分に議論を重ね,最終的 にオリジナルな光源案にまで煮詰めるのが良いであろう。大変に大きなテーマなので,他施設との連携も視野に入れ たほうが良い。

既存の加速器 UV S OR -II に関しては,挿入光源の充実が最優先課題と思われる。利用可能な直線部への早期の挿入光 源の導入が強く望まれ,必要な予算措置を取るべきである。トップアップ運転は,平均の蓄積電流を増加することだ けではなく,加速器本体の真空路やビームラインあるいは放射光を照射する試料に対する熱負荷が一定となることか ら,放射光源の趨勢となっているので,近い将来実現すべきである。そのためにもすでにのべたようなシンクロトロ ン電磁石電源の更新が不可欠である。また,必要に応じて24時間運転が行えるような条件整備を行うべきである。

当面,まずは UV S OR -II の性能向上を図ることが最優先である。特にライフタイム向上とトップアップ入射には早期 に取り組んで欲しい。24時間運転については正と負の効果(影響)を総合的に理解して判断することが望ましい。新 光源計画はこれらにめどが立ってから取り組む課題と思われる。

新光源計画については,敷地,人員,他の大規模計画などとの整合性に配慮しつつ,およそ10年後の建設開始を目 標に計画を練っていくのが適当と思われる。現在の敷地,人員の規模でできることは限られており,他の機関との連 携も考慮すべきであると思われる。

参照

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